デベロッパーからの請負でローコスト住宅のつくりかたを学び、 設計事務所からの請負で難しい技術を学びました。 (綺麗な部分だけではなく、世の中のズルさや汚さもいろいろ見て参りましたが・・。)
消費者が求めるものは大きく3つ。ずばり「価格」と「デザイン」そして「性能」です。
僕が今まで紆余曲折、様々な仕事にチャレンジしてきたのは それらのニーズをバランスよく学ぶ為です。 建築家の住宅デザインは今や飽和状態となっており、所詮、猿真似になってしまいがちです。 打破しようとすれば無茶苦茶な設計をして雑誌に載りたがる。 建築家にとっては「作品」かもしれませんが、 消費者にとっては長年心地よく住むための「家」なのです。 慣れない材料を選定して、高額な見積を提示するという、建築家の机上の空論でなく 自ら現場で体を酷使して覚えてきた経験にもとづき、住宅の工事を施工できる自分が責任を持つことによって デザイン性と性能を兼ね備えた ローコストデザイナーズ住宅をつくる、
ー「いちごハウス」の理念は、その時から今も変わっていません。
自社ブランドづくりには、沢山の精鋭たちが必要だ!と 思い立った僕は、まずはチーム作りからスタートしました。
「いちごハウス」立ち上げ時は、営業部・設計部(一級建築士4人)・現場監督7人etc…といった メンバーが集まりました。 とあるイベントに、「ローコストデザイナーズ狭小住宅:いちごハウス」という企画で出店し、 なんと、見事大ヒット。 その後 多くの来客を受けて、ほとんど全てのお客様を受注しておりました。 自分で言うのもなんですが、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い だったと思います。 多い時では、1か月に20組以上のお客様を抱えるまでになっていました。
正直周りからも羨ましく思われていたそうですが、現実はそう簡単ではありません。
社員の教育もままならない位、本当に、本当に、ひたすら忙しすぎて また、一人ひとりが業務をやりこなすだけの能力も備わっていませんでした。
すべては、代表である 僕の責任です。
有能な社員は辞めていき、お客様を担当していたスタッフは、お客様だけでなく 設計や現場からもクレームの嵐を受け、精神的・体力的にもボロボロ…。 1件1件、貴重な需要に見合っただけの、供給バランスがとれなかった。 企画におぼれ、自惚れていました。
若い頃、不良だった僕は、多くの人に心配や迷惑をかけて生きてきましたが、 これほどまでに情けない思いをして、経営者としての未熟さを痛感した経験はありません。 「いちごハウス」を全国区に、沢山受注して有名にするぞ!という 上昇志向に ピリオドを打ちました。