それはまるで、バブル崩壊という言葉が相応しい状態でした。
一歩間違えれば倒産寸前という状態だったかもしれません。 棺桶に片足を突っ込んでいる・・・ ともいえます。 まぁ、表現は何であれ、とにかく 壮絶な状況だったのです。 多くの社員が辞め1人になった時期があります。
会社では一人になりましたが、僕には幸い家族がいて支えてくれたため どんなに大変で辛くても 諦めずにやり続けることが出来ました。
よく、心臓が2つあるでしょう?と言われます。 たしかに、この時の経験は、皮肉なことに 僕をより強靭な精神力の持ち主へとさせました。
後に、一級建築施工管理技士の資格を取得し、 住宅のみならず ビルの現場監督ができるスキルアップを果たしました。
あのバブル期を第1創世記としましょう。 第1創世記では、忙しすぎて 僕自身が全ての現場を見て回る事ができませんでした。 ですが、代表者自らが現場にたつことは 現場の士気にもつながる、とても大事な事だと、原点に立ち返って反省しました。 もちろん資格があるからといってなんでもできるわけではありませんが、 この資格取得は、心を入れ替えるためにも、 また、信頼を回復したいという気持ちの面でも、重大な出来事でした。
平成23年9月に、新たに「いちごハウス株式会社」を設立しました。
いままでの「株式会社匠恵塾」は設計部門として、 いちごハウス株式会社は施工専門として機能しております。 新たな体制作りに欠かせないのは、やはりそれに携わる人員の確保です。 これまで、延べ200組を超える職方と接してきましたが やはり、職人の腕の良し悪しは非常にバラツキがあります。
もう二度と、あんな思いはしない。
僕はまず、今までに出会った数多くの職人のなかから 日本代表クラスとよべる 建築職人 一人ひとりに声をかけました。
「もう一度、僕と一緒に仕事をしてくれませんか?」
第1創世記の失敗で迷惑をかけた人もいたため、最初は断られるかな?と心配でしたが 僕が必要としていた職人の人たちはみなさん、快く引き受けてくれました。