遠い昔、山だった場所を切り崩して造成をして敷地をつくる段々畑のような地形の場所が
あります。
大抵そういった場所には段々畑の上部側の土圧を受けるために、擁壁をつくることになり
ます。その敷地に対して道路側から見たときにも地盤面が高い場合があります。そういった
敷地には土を削ってRCの地下車庫をつくることをおすすめしています。設計GLは現況の
高い側から高さを測ることにより、斜線制限をクリアできることを利用して、地下車庫部分を
地盤面以下の構造物(地下)として設計することにより挟小敷地の有効活用することができ
ます。更に道路からのアプローチが平面で行き来できるようになるため、玄関へのアプロー
チや車庫などをつくったりして、利便性の高い建物にすることができます。
そんな段々畑にある地下車庫ですが、ILAの設計は常にギリギリを狙っていくため、段々に
なっている上部の擁壁と絡むことがあります。というのはこちら側からの建物をRC造でつく
り、その土圧を擁壁をつくらずに建物で支えるという論理です。RCではなく擁壁が必要と
なった場合、住宅を作るときに擁壁の費用は、工事価格に対する価格の割合からすると
高額となってしまいます。しかも大きく面積を必要としますので、土を受ける部分をRC造に
して面積を広げたりしているのです。
さて、その擁壁のお話ですが擁壁はコンクリートの壁です。擁壁がないと確実に土砂くずれ
がおこります。大切な擁壁ですが、こちら側の工事をするために、その擁壁の下の部分で
作業をしなければならい箇所があります。想像つきますでしょうか?
こちらが地下で5mくらいの高さのある擁壁を背負っての工事です。一歩間違えたら生き
埋めになります。
擁壁の安全性も危険性も目の当たりにしてきた私ですが、過去には古い擁壁が崩壊して
きたことや工事中擁壁をささえている仮設の山留が倒れてきたこともあります。
これらの経験が、現在の安全かつ慎重な工事へと繋がっています。
物件データ | |
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所在地 | 東京都大田区 |
間取り | 3LDK 3階建+地下 |
土地面積 | 53.94㎡ 16.32坪 |
建築面積 | |
延床面積 | 118.76㎡ 35.92坪 |
構造 | RC造 |
完成年月 | |
家族構成 | ご夫婦2人+子供1人 |
工期 |